中国企業が半年で撤退通告、和歌山市の「シェアサイクル」存続の危機 (2/3ページ)

ofoが和歌山城近くに設置している専用駐輪場=和歌山市西汀丁
ofoが和歌山城近くに設置している専用駐輪場=和歌山市西汀丁【拡大】

  • 今年3月のスタート時、尾花正啓・和歌山市長も自転車に乗りアピールしていた

 市幹部は「(撤退に)驚いている。日本で事業が成り立つかという点で、利用状況が悪いとofo側が判断したのだろう」と落胆まじりに推測する。

 「経営危機」報道も

 今年3月の事業スタート時には、和歌山城を舞台にofoと市の締結式が華々しく開かれた。尾花市長が自ら自転車に試乗し、晴れやかな表情で西の丸広場を数周してアピール。「公共交通と連携してシェアサイクルを活用し、観光地がたくさんある和歌山市を堪能してもらいたい」と利用を呼びかけていた。

 この市長肝いり事業は、外国人観光客のニーズに応え、公共交通機関の利用増も期待できると、市が昨年度、事業者誘致に着手。複数の事業者に呼びかけ、今年初めに唯一名乗りを挙げたのが中国企業のofoだった。

 ただ、昨年時点で一部海外メディアでは、中国でシェアサイクルの自転車放置が社会問題化しており、業界の競争も激化していると報じられていた。ofoについても今年に入り、資金繰り悪化など「経営危機」が伝えられていた。

 市はofoと協定を結ぶ際、市が管理態勢などを指導できる条項を入れていたが、経営状況までは確認できなかった。市幹部は経緯を振り返り、「(市として経営状況を)把握していなかったのではないか」と反省する。

 事業継続を模索

 ofoは突然の撤退を決めたが、和歌山城をはじめ名勝・和歌の浦など市内33カ所の専用駐輪場に置かれている約120台の自転車の行方は、現時点では決まらないままだ。

 この自転車の扱いをはじめ、撤退に伴う利用者への対応などについても市はofoと今後協議を進めていくが、指導する間もなく一方的に撤退通告されたことに、市幹部も「全くの想定外だった。本当に残念」と表情は険しい。

事業継続の可能性模索