【生かせ!知財ビジネス】特許庁、そろいのTシャツでベンチャー支援

スタッフTシャツを着て気合を入れる特許庁のベンチャー支援チーム=東京・霞が関
スタッフTシャツを着て気合を入れる特許庁のベンチャー支援チーム=東京・霞が関【拡大】

 特許庁のベンチャー支援班があつらえた、そろいのスタッフTシャツが、各地のベンチャー関連イベントで「カッコイイ、自分も欲しい」「官僚的な感じがない。好感が持てる」と起業家たちの評判となっている。

 特許庁は7月、スタートアップ企業を支援する「知財アクセラレーションプログラム」(IPAS)や、起業での知財活用知識の重要性について啓蒙(けいもう)活動を始めた。スタッフTシャツを作ったのは、これら施策を企画・担当するため結成されたベンチャー支援チームだ。

 Tシャツは紺地で左胸に「STARTUPS×知財戦略」のロゴが、左袖に「特許庁」、背中に「@ny Heip?」の文字がある。10月18日に幕張メッセ(千葉市美浜区)で開かれたスタートアップ向けのトークイベントで、同チームの松本要課長補佐が上着を脱いで披露すると、約200人の聴衆がどっと沸いた。

 デザイン担当の吉野涼係長は「支援チーム8人のほか関係職員20人ほどが自費で購入した。スタートアップの人たちに知財をもっと身近に感じ、使いこなしてもらうための施策を日々模索している」と話した。

 IPASでは支援を決めたスタートアップ10社に、特許庁が用意したメンター(助言者)による指導を始めている。ビジネスメンターにはアビエス・ベンチャーズ(東京都港区)の山口冬樹代表、アドライト(同)の木村忠昭社長ら8人、知財メンターに内田・鮫島法律事務所(同)の石橋茂弁護士ら11人が登録されている。

 また、ベンチャー支援チームは今月から1月にかけて、スタートアップ支援施設の「Startup Hub Tokyo」(東京都千代田区)や「Fukuoka Growth Next」(福岡市中央区)などで行われるイベントに参加する予定だ。さらに12月18、19日に金沢市で開かれるカンファレンス「インフィニティ・ベンチャーズ・サミット2018 Winter Kanazawa」には宗像直子特許庁長官の参加が検討されている。もちろん、宗像長官もスタッフTシャツ購入者の一人だ。

 なお、今年度はIPAS支援企業の募集はないが、来年度は「予算の問題はあるが、倍増できたらと考えている」(今村亘企画調査課長)としている。(知財情報&戦略システム 中岡浩)