高論卓説

歴史上常に使われるフェイクニュース、対策は (1/2ページ)

 ■大衆操作の手段、見抜くべき発信意図

 米国のトランプ大統領が広めた「フェイクニュース」(偽報道)という言葉がある。フェイクニュースとは、国家または特定の利益集団がマスコミを使って意図的に、(1)嘘を報道する(2)事実を報道しない-ことにより世論を一定の方向に誘導する行為と定義できよう。(JPリサーチ&コンサルティング顧問・杉山仁)

 嘘を報道するだけではなく、現実に起こっている事実を意図的に報道しなくてもフェイクニュースと同じ効果を上げることができる。どんな人でも自分が直接経験していないことは、新聞、テレビ、SNSなどを通じてしか知ることができない。

 ナチスの幹部で宣伝大臣であったゲッベルスが「嘘も百回言えば真実になる」と言ったという説があるが、大衆扇動の強力な手段はフェイクニュースであることは間違いない。人々に真実を伝えず、嘘を流しても大衆は繰り返し聞くと、それを信じるようになる。

 フェイクニュースはトランプ米大統領が言い出さなくても政治的、経済的利害が絡む場面では、どこでも、歴史上常に使われている大衆操作の手段である。日本でのフェイクニュースの代表例は朝日新聞による「慰安婦報道」であろう。「慰安婦報道」は大新聞が繰り返し、偽の証人の言葉を事実として報道したため、当時の事情を知らない人々は朝日の嘘を信じてしまったのである。

 大規模で長期間にわたるフェイクニュースの例としては、第二次世界大戦後、占領軍が日本の政府と報道機関に対して行ったWGIP(War Guilt Information Program)である。これは日本人に戦争に対する贖罪(しょくざい)意識を刷り込むために占領軍が占領期間中に実施した情報操作と検閲・焚書(ふんしょ)であった。WGIPの存在そのものが秘匿されていたため、60代、70代の日本の指導層でも最近まで知っている人はごくわずかであり、日本人の国論形成にも多大な影響を与えている。

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