車の人混み突入 地域で自衛「柵」 警察対応に限界、費用など課題も (3/3ページ)

年明け直後、車が暴走した竹下通り。車進入防止のポール設置が検討されている=東京都渋谷区(緒方優子撮影)
年明け直後、車が暴走した竹下通り。車進入防止のポール設置が検討されている=東京都渋谷区(緒方優子撮影)【拡大】

 東京都足立区は今年度内にも、270万円をかけて公共施設に花壇型の車両進入防止装置を設置する。担当者は「訪れる人の安全を守りながら、威圧感がなく景観に馴染むものにしたい」。

 まだ危機感薄く

 一方、車両進入防止のポールを販売する「帝金」(大阪)の奥田浩也常務取締役は「海外に比べ、国内ではまだ危機感が薄い印象がある」と話す。同社販売の英国製のポールは大型トラックの衝突にも耐えうるとし、2012(平成24)年ロンドン五輪・パラリンピックの主要会場などで採用されたが、国内での施工は数例という。

 国際テロに詳しい公共政策調査会の板橋功研究センター長は「人がある程度集まる場所はどこでも狙われる可能性がある」と指摘。2020年東京五輪・パラリンピックを控え、対策強化の重要性が増す中、「警察の警備だけでは限界がある。費用面の課題はあるが、著名な商店街がある自治体などは当事者意識を高め、警備員や車止めの配置などで対応しないといけない」と話した。