人気のエナジードリンク、カフェイン過剰摂取に注意 海外で販売規制も

 

 日本でも市場が拡大している「エナジードリンク」。カフェインの多さから、海外では健康への影響が指摘されており、未成年者への販売を法律で規制した国もある。ただ、カフェインはコーヒーやお茶にも含まれる。専門家は「カフェインが多く含まれている飲料は、子供が間違えて飲まないように売り場での配慮が必要」と指摘している。(平沢裕子)

 海外で販売規制も

 エナジードリンクは、日本では仕事中の眠気覚ましに飲む人が多いが、海外ではウオツカやウイスキーなどアルコールと混ぜる飲み方が大学生や若者の間で流行。「飲みやすく、酔いやすい」のがその理由だ。人気の一方、含まれるカフェイン量の多さから問題も起きている。

 米国では2011年、14歳の少女がエナジードリンクを飲んだ後に死亡する事故が起きたと報道されている。報道によると、少女は死亡までの24時間にエナジードリンク(700ミリリットル缶)を2本飲んだといい、死亡原因はカフェインの過剰摂取による心臓の不整脈と診断されている。カフェイン量は約480ミリグラムで、コーヒーなら5~6杯分に相当する。

 帝京平成大薬学部の斎藤充生准教授(医薬品情報・安全性学)は「コーヒーは苦いので大量に飲もうとする子供はいないだろうが、甘い味付けのエナジードリンクは子供にも飲みやすい。気づかないうちにカフェインを大量摂取してしまう可能性があり、注意が必要だ」と指摘する。

 リトアニアでは昨年11月、未成年者(18歳未満)へのエナジードリンクの販売を禁じる法律が施行された。また、米国医師会も若者へのエナジードリンクの販売規制を呼びかけている。

 売り場の工夫を

 エナジードリンクの問題が注目されているが、カフェインはコーヒーやお茶など天然の食品にも含まれ、清涼飲料水などにも食品添加物として使われている。

 内閣府食品安全委員会によると、カフェインを過剰摂取したときの人への影響として、心拍数の増加や興奮、不安、不眠症、下痢、吐き気、めまいなどが挙げられる。また、肝機能が低下している人では高血圧リスクが高くなることや、妊婦では胎児の発育を阻害する可能性が指摘される。

 カフェインの取り過ぎに注意を呼びかけている国もある。カナダとオーストリアでは妊婦に対し、1日の摂取量を300ミリグラム、英国は同200ミリグラムまでにするよう求めている。カナダは子供についても4~6歳は1日に最大45ミリグラム、7~9歳は同62・5ミリグラム、10~12歳は同85ミリグラムまでとしている。

 エナジードリンクと比較されることの多い「医薬部外品」の栄養ドリンクは、含まれるカフェイン量について1本50ミリグラムまでと基準がある。これに対し、「清涼飲料水」に分類されるエナジードリンクや缶コーヒーには基準がなく、医薬部外品で認められないような量が入ったものも売られている。小さな子供には過剰摂取となる可能性があるので、カフェインの多い飲み物は、子供が誤って飲まないよう注意が必要だ。

 消費生活アドバイザーの池見浩さんは「カフェイン量によっては、子供の手に取りにくい場所に並べるなど売る側の配慮も必要ではないか」と指摘している。

【用語解説】エナジードリンク

 カフェインやアミノ酸などの成分が入った炭酸飲料。日本では平成17年にオーストリアの「レッドブル」が販売されて人気に火が付いた。以降、米国生まれの「モンスターエナジー」など海外発の商品が続々登場した。カフェイン量は、レッドブル(250ミリリットル缶)が80ミリグラム、モンスターエナジー(355ミリリットル缶)が142ミリグラム。最近では国内の製薬大手も開発に力を入れており、コンビニエンスストアでは栄養ドリンクとともに棚の一角を占めている。