手足に震えが起こる難病「パーキンソン病」。高齢者に多く、発症すると体を動かしづらくなることから運動不足に陥り、身体機能が低下しやすい。だが、適度な運動や日常生活のちょっとした工夫で、生活が楽になる。国立精神・神経医療研究センターでパーキンソン病・運動障害疾患センター長を務める村田美穂医師=に、病気と上手につきあう方法を聞いた。(油原聡子)
運動機能が低下
パーキンソン病は、運動を調整する働きを担う脳内物質のドーパミンが減少することで起こる。高齢化に伴い患者が増え、国内の患者数は16万人とされる。
発症すると、主に運動機能に症状が出る。初期によくみられるのが手足の震えだ。安静時に震えるのが特徴で、左右に差が出ることも。また、筋肉が硬くなり、手足の動きがぎこちなくなる。症状が進むと、体のバランスが取りづらくなり、転倒しやすくなる。
根本的な治療法はなく、症状に合わせた対症療法となるが、最近は薬物療法の進歩で症状をかなり抑えられるようになった。村田医師は「パーキンソン病が疑われる場合は、神経内科を受診するとよい。早めに適切な治療を行えば、普段通りの生活を長く続けることができる」と早期治療の重要性を指摘する。