「お年玉」で子供に金銭教育 小遣い帳で管理、運用や貯金も

 

 お年玉として子供がまとまったお金を手にするお正月。小遣い帳を渡したり、未成年者を対象にした少額投資非課税制度「ジュニアNISA」を活用したりして、金銭教育を始めるチャンスだ。親子で話し合いながらお金の使い道を考えてみては。 (中井なつみ)

 大金が一度に

 子供が手にするお年玉は、少しずつ増えている。川崎信用金庫(川崎市)が昭和58年から毎年、小学生を対象に実施している調査によると、平成27年のお年玉の平均額(総額)は約2万5千円。ここ数年は2万4千円~2万6千円台で推移している。

 一度に多額の現金を子供に渡すと、「金銭感覚を狂わせてしまうのでは」と不安に思う親は多い。さいたま市に住む会社員の女性(41)は毎年、小学校1年の長男(7)のお年玉を、長男名義の口座に入金している。昨年は総額3万円もらい、これまでの合計金額は10万円以上に。小学生になり、お年玉の意味を理解し始めた長男に「どのタイミングで渡そうか」と悩んでいるという。

 失敗も勉強に

 「まずは自分の思うように使わせてみては」。家計のアドバイスを行う「クレア・ライフ・パートナーズ」(東京都新宿区)の工藤将太郎社長はこう話す。「使うことでしか、お金の価値は分からないもの」という。

 工藤さんが勧めるのは、「親子で一緒にお年玉の使い道を考えること」。ゲーム機などほしいものがあるとき、「いくら必要なのか」「なぜそれがほしいのか」「ほかのものでは代用できないのか」といったことを掘り下げて話し合おう。その過程で、本当に必要かどうかが冷静に考えられるようになり、無駄遣いを避けられる。

 小学校3、4年であれば、小遣い帳を渡してやりくりの方法を考えさせるのも一つの方法だ。「お金の意味」や「賢い使い方」を考えるきっかけになる。

 小遣い帳はノートやパソコンで自作してもいい。小遣いなどの「収入」と、買い物や預貯金などの「支出」を記録。ほしくても高額で買えないものが出てきた場合は、お小遣いをためることを勧め、追加でお金を渡さないようにする。「お金がなくて手に入らない」という経験を経てこそ、お金の大切さを実感することができるからだ。

 「NISA」を活用

 お金の運用に興味を持たせることも一案だ。学校などで子供の金銭教育を行うNPO法人、金融知力普及協会(中央区)の鈴木達郎・金融知力インストラクターは「ジュニアNISA」の活用を提案する。

 昨年1月にスタートした少額投資非課税制度「NISA」の“子供版”となる「ジュニアNISA」は、来年1月から口座開設の受け付けを開始する。国内に住む0~19歳が対象で、非課税枠は年間80万円、総額で400万円。株式や投資信託への投資から得られる売買益・配当金が、最長で5年間、非課税となる。鈴木さんは「実際の取引は親が行うが、子供が投資を学ぶきっかけになる。お年玉をジュニアNISAに生かそうという動きがトレンドになるのでは」とみる。

 また、貯金トレーニングとして、お年玉の一部を自分名義の口座に貯金することも勧める。子供のときから貯金をしていれば、習慣づけられるという。鈴木さんは「学校では具体的なお金の使い方は教えてくれない。だから、家庭での教育が大切」と指摘している。

 ■使い道は? 「貯金」が約8割

 お年玉を貯金する現実的な小学生が多いようだ。学研教育総合研究所(東京都品川区)が平成25年、小学生1236人を対象に行った調査(複数回答)によると、お年玉の使い道として「貯金」を挙げる子供が約8割(男子80.5%、女子78.5%)に上った。続いて、男子は「ゲーム機・ゲームソフト」(28.3%)、女子は「本や雑誌」(21.8%)だった。