バッグ・巾着など… 入園入学準備品のオーダーサービスが好調

 
手芸店にはこの時期、入園・入学に向けたグッズ用の材料が並ぶ=クラフトハートトーカイアルカキット錦糸町店

 春の入園・入学シーズンを控え、手提げバッグや巾着など子供の身の回り品の準備を始める時期だ。手作りを求める幼稚園・保育園や小学校が多く、裁縫が苦手な親にとっては頭の痛い問題だが、近年は外注を請け負う業者が増加。インターネットによるサービスも充実してきている。(油原聡子)

 費用は2万円

 東京都墨田区の会社員の女性(42)は1月下旬、今春小学校に入学する三男(6)のため、体操着袋や手提げバッグなど6点を手芸専門店にオーダーした。生地代も含め費用は2万円ほどかかった。

 「裁縫が苦手でボタン付けしかできないので…。上の子2人の分もお願いしてきた」と女性。近くに住む母親宅にもミシンはなく、外注するしかなかった。

 2万円の出費は痛かったが、「フルタイムで働いているので週末は疲れ切っている。市販品で代用できるものもあるが、手芸店でオーダーするほうが子供好みのものが作れる」と納得の様子だ。

 女性が利用したのは、「藤久」(名古屋市)が展開する手芸専門店「クラフトハートトーカイ」のオーダーサービス。扱うのはレッスンバッグやシューズケースのほか、巾着など約30種類。200種類以上の生地の中から好みのものが選べ、サイズも指定できる。約2週間で完成し、加工料金はレッスンバッグで2160円、シューズケースで1512円。材料代が別に必要となる。

 同店では裁縫が苦手な人が増えてきたことを受け、約15年前から特定のサイズの商品を請け負うイージーオーダーサービスを開始。園や学校ごとにサイズや形状の指定が異なるため、10年ほど前からフルオーダーサービスも始めた。

 注文は年々増加、今年は1月時点で申込件数が前年比2割増と好調だ。利用者は共働きの20~30代が多いという。

 クラフトハートトーカイアルカキット錦糸町店(東京都墨田区)の三井典子店長は「核家族化により、近くに教えてもらえる人がいなくなった。ミシンを持っていない人も多い」と話す。

 ネットでも

 手芸用品販売の「オカダヤ」(新宿区)では、入園・入学用グッズの作り方を説明した「レシピ」をインターネットで公開。レシピに基づいたオーダーサービスも請け負っている。また、同社が運営する手芸専門店「マーノクレアール」の一部店舗では、2~3月に講習会も実施する予定だ。

 ネットで外注できるサービスもある。洋服や雑貨の縫製を請け負うネットサイト「nutte(ヌッテ)」は、昨年から縫製を手がける職人と利用者のマッチングを行っている。

 利用者は依頼したいものと金額、納期などの条件を登録し、契約が成立すると制作してもらえる仕組み。1月から、入園・入学に向けた製品の依頼が増えているという。

 最後の一手間

 手作り品の外注が広がっている背景について生活総合情報サイト「オールアバウト」の子育てガイド、田宮由美さんは「仕事を持ち、時間に追われる母親が増えている。時間がない中で手作りをしてイライラするぐらいなら、サービスを使うのも一つの方法」と指摘する。

 ただ、サービスを利用する場合でも、子供と一緒に生地の柄を決めるなど思い出が残せるよう工夫するといい。田宮さんは「出来上がった商品にネームタグやアップリケ、リボンを付けるなど最後の一手間を惜しまず、親子で作業するのもお勧め」とアドバイスしている。

 ■「名前付けが大変」8割

 子供の入園・入学前の準備で、持ち物に名前を付けるのを「大変」と考える人が約8割に上ることが、文房具メーカー「キングジム」の調査で分かった。調査は平成26年7月に実施、25~45歳の母親400人の回答を得た。

 調査結果によると、子供の持ち物の名前付けを大変だと感じる人は77.8%だった。点数を尋ねたところ、最も多かったのは「51個以上」で22.7%。「11~20個」(21.4%)「21~30個」(18.9%)と続いた。回答者からは「徹夜作業になった」「同じ字を書き続けるのが大変だった」といった声が寄せられた。