2016春闘、非正規待遇改善相次ぐ 同一労働同一賃金の動き広がる
2016年春闘では、非正規従業員の賃上げや待遇改善の動きが広がっている。背景には、政府が同一労働同一賃金を掲げ、正社員と非正規従業員の賃金格差是正に乗り出していることもありそうだ。
「これまでは下位にあった非正規従業員の待遇改善の要求をあえて上位に持ってきた結果だ」
連合の春闘責任者である総合労働局の須田孝総合局長は非正規従業員の賃上げが正社員を上回る企業が出ていることを指摘した上で、連合が目指した「底上げ春闘」の成果を強調した。
春闘相場の牽引(けんいん)役であるトヨタ自動車では、賃金水準を一律に引き上げるベースアップ(ベア)が正社員は労働組合要求の月額3000円に対し、半額の1500円の回答だった。だが、期間工などの非正規従業員については、日給を150円引き上げることで、要求に満額回答。月20日の勤務で3000円の賃上げと、正社員の倍のベアになった。
カルビーも月例賃金を正社員で平均1%(3200円)引き上げるのに対し、雇用期間に定めのある契約社員は同2%の引き上げと手厚くする。同社の正社員のベアは2年連続だが、契約社員は3年連続のベアで、「従業員の半数を占める契約社員を含め、全体のモチベーションを高める狙い」(同社幹部)という。
外食や小売りなどのサービス産業などでは、人手不足問題が深刻になっており、人材確保策として賃上げを余儀なくされている側面もあるようだ。
非正規従業員は、国内の雇用者の4割近くに達し、賃金引き上げは低迷する消費の喚起効果が期待できる。それだけに、非正規従業員の持続的な賃上げが可能となるよう、各社とも生産性の向上などが課題となる。(平尾孝)
■各社の非正規従業員の賃上げや待遇改善
トヨタ自動車 日給を150円引き上げ。満額回答で月額3000円のベアに相当
日産自動車 正社員に準じた水準での改善
NTT 定年後の継続雇用社員を含め計約2万人を対象に月額平均1100円の賃金改善
KDDI 店頭接客などの契約社員約2900人に対し、月給を平均5457円引き上げ
イオン イオンリテールの約6万6000人のパート社員に対し、時給で平均23円の賃上げ
ニトリHD 1万8000人のパートやアルバイトの時給を平均28.7円引き上げ
ライフコーポレーション パート従業員を対象に定期昇給開始。年間で2万円の賃上げも
ゼンショーHD 約10万人のパートやアルバイトの時給を平均2%引き上げ
カルビー 雇用期間に定めのある契約社員は2%引き上げる。対象は約1600人
SMBC日興証券 コールセンターで勤務する契約社員、派遣社員を正社員に転換
※HDはホールディングスの略
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