人生で3つある「お金のハードル」 一つずつ確実にクリアを

 

【荻原博子の家計防衛術】

 多くの人には、人生で3つの大きな「お金のハードル」があります。住宅ローン、教育費、老後費用で、手前から飛び越えていきましょう。

 仮に、35歳で子供ができたのを機に、3千万円のマイホームを35年ローンで買ったとします。10年くらいは、住宅ローンの繰り上げ返済でローン残高を減らすことに専念しましょう。これが、第1のハードルです。

 仮に、5年間、一生懸命に300万円を繰り上げ返済すれば、住宅ローンは65歳までに終わります。さらに45歳までに300万円を繰り上げ返済できれば、60歳ちょっとで住宅ローンは終わります。

 45歳からは、全力で子供の教育資金をためましょう。これが第2のハードルです。この頃になると、子供の手が離れて、妻も働けるようになるので、妻が稼いだお金はすべて貯金する。そうして、大学に入るまでに子供1人当たり300万円のお金が用意できれば、あとは本人が奨学金を借りるなり、アルバイトで稼ぐなりして卒業できるでしょう。こうすれば、55歳以降は子供の教育費に煩わされなくてすみます。

 そこからは、自分たちの老後資金をためる番。これが、第3のハードル。今まで教育資金としてためていた分を貯金すれば、年間100万円は貯金できます。妻も働けば、年間200万円の貯金も可能。60歳からは収入が減るでしょうが、住宅ローンの支払いが終わっており、妻も働いていれば、年間100万~200万円の貯金は可能。

 そうすれば、65歳には1千万円から2千万円の貯金ができているはずです。これに退職金を合わせれば、それほど苦労せずに年金生活に突入できるでしょう。

 大切なのは、住宅ローン、教育資金のハードルを無視して、若いうちからいきなり「老後が心配」などと、個人年金の積み立てなどをはじめないこと。若いうちから老後資金をため始めると、住宅ローンは終わらず、教育資金もたまらず、教育ローンなどを組まなければならないかもしれません。そうなると、返済で老後資金をためる余裕がなくなります。

 しかも、「月々2万円ずつ払えば、30年後には月4万円もらえますよ」と言われても、日銀の思惑通りにインフレが進めば、30年後の4万円は、今の1万円の価値しかないかもしれません。「お金のハードル」は、手前から一つずつ確実に飛び越えていく。そんな、堅実な家計運営を目指してください。(経済ジャーナリスト)=おわり