企業が一番困るのは「御社に行きます」からのドタキャン 内定辞退は早めに

 

 6月1日の選考解禁からはや1週間。企業の採用意欲は大変旺盛ですので、中には複数の企業に内定をもらい、決断を迫られている人もいるでしょう。

 昨年就職活動をした学生の内定社数についてのデータを見ると、内定学生の6割強が複数の企業から内定を得ていました。5社以上も約1割。そうした“内定長者”が生まれやすい環境は今年も変わりません。今回は、複数の企業から内定をもらったときの対応を紹介したいと思います。

 企業はなぜ頻繁に入社の意思確認をしてくるのでしょうか。企業は、何人採るかという採用計画に基づいて選考を進めます。そして、内定を出した学生のうち実際にどのくらいが入社するかを読みながら、採用をしています。入社の可能性が高いか低いかは、とても重要な情報です。

 企業が一番困るのは「御社に行きます」の一点張りで、ある日突然「やっぱり他の会社に行きます」と辞退されたり、内定式当日に姿を現さなかったりすることです。入社を迷っているのなら、正直に相談しましょう。現場の社員を紹介してくれたり、研究所や営業所などの施設を案内してくれたりと、決め手となる材料を提供してくれるかもしれません。

 忙しい採用担当者にそんなことを要求して内定を取り消されないか心配だ、という人もいるかもしれませんが、その心配は無用です。遠慮なく相談してみてください。

 そうして、最終的にどの企業に入社するか結論が出たら、真っ先にしてもらいたいのは、内定を辞退する企業への連絡です。これは早ければ早いほどいいです。毎年少なからず見られるのが、なかなか辞退の連絡をできない学生の存在です。「内定を断ったら土下座をさせられる」といった都市伝説的な仕打ちを恐れたり、強引に引き留められたらどうしようといった懸念があったりして、行動に移せないのです。電話にしようか、メールにしようかなどと迷っているうちに時間ばかりが過ぎて-というケースもあります。

 ある情報会社の採用担当者は「内定式が迫ってから丁寧な辞退の手紙を送ってくる学生が毎年いますが、電話で構わないのでとにかく早く連絡が欲しいのが正直なところです」と打ち明けます。「面接で第1志望だと言った手前、今更よそに行くとは言い出しにくい」という気持ちも分かりますが、案外あっさりと「ではそちらの企業で頑張ってください」とエールを送られて拍子抜けした、という学生は例年とても多いのです。

 入社しないと決めたら、早々に辞退の連絡をしましょう。その際は、自分を高く評価してくれたことに対する感謝の気持ちも忘れずに伝えたいですね。(キャリタスリサーチ 武井房子)

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