57.6%-。厚生労働省が先月発表した大卒予定者の就職内定率(10月1日現在)に、関係者は大きな衝撃を受けた。「就職氷河期」と呼ばれた平成12年前後でも維持していた60%台を割り込み、過去最低を記録したためだ。
「超氷河期」と呼ばれる今年の就職戦線。その厳しさの一端を、大阪市内で開かれた企業の合同面接会にみた。会場を埋め尽くしたリクルートスーツの学生は約1500人。「こんなに殺到するとは…」と驚いている男子学生(24)は「また書類選考で落とされるのでは」と不安げだ。
事務職希望の女子学生(22)は、これまで約50社に応募。だが、面接にたどりついたのは2社だけという。「親から『年内に(就職先を)決めろ』といわれるけど、もうすぐ卒業論文の提出時期だし、どうしようもない。もう、どこでもいいから就職したい」とあきらめ顔だ。
「既卒」の男性(24)の現実はもっと厳しかった。応募対象を「新卒」に限定している企業が多く、スタートラインにさえ立てないのだという。国は今年、企業側に卒業後3年以内を「新卒」扱いにするよう要望し、奨励金制度も設けたが、効果はいま一つのよう。男性は「既卒のハードルは、一気に高くなる」と恨めしげだ。「新卒」の肩書を求めて留年する学生が少なくないのも、既卒のデメリットがはっきりしているからだろう。
この時期まで就職活動をしている学生の多くは、自信喪失気味。「超氷河期」から抜け出そうともがく姿には「早く決まるように」と願うばかりだ。
内定率は100%
合格者のうち36%が無職
労使の隔たりが浮き彫り
学業に悪影響
選考には直接影響しないが…
意外な大学が上位に食い込む