60年ぶりに過去最多を更新した生活保護受給者。国や自治体が生活保護のために今年度計上した予算は3兆4千億円にのぼり、財政を圧迫している。働き世代の受給者増が指摘される中、今後は東日本大震災で働く場所を失った被災者が生活保護を受けざるを得なくなり、受給者はさらに増える可能性が高まっている。(長谷川陽子)
景気回復後も
生活保護受給世帯の中で特に増加が著しいのが、働けるのに仕事がなく、生活保護を受給する人が含まれる「その他の世帯」だ。
平成13年度には約6万2千世帯(月平均)だったが、今年7月には25万1176世帯と約4倍に増加。首都大学東京の岡部卓教授(社会福祉学)は「特に働き盛りの40代(の受給)が顕著に増えている」という。
引き金は20年秋のリーマン・ショック。特に雇用保険に加入していないことが多く失業手当を受けられない非正社員で「派遣切り」後、すぐ生活保護に頼らざるを得ない人が相次いだ。
ただ、リーマン・ショック以降、景気が回復傾向にあった局面でも受給者は増え続けた。学習院大の鈴木亘教授(社会保障論)は、21年3月に厚生労働省が、働ける世代にも生活保護を支給するよう各自治体に求めた通知が要因と指摘する。