ブレーキのないピストバイク(トラック競技用自転車)が警察に摘発される例が相次ぐなど、事故防止の機運が高まったとは言い難い。ブームに対応すべく、公的機関や業界団体などによる安全啓発の取り組み拡充が求められている。
また、自転車通勤の広がりが歩道などでの違法駐輪を生み、ひいては駐輪マナー低下や放置自転車の増加を招く皮肉な現象も起こっている。サイクリストは、自動車や歩行者を含め交通全体への影響に配慮する必要がある。一方で自治体や、都市の施設・ビル管理者は、スポーツサイクルの需要増大や、交通環境の変化を念頭に、駐輪設備の拡充や適正配置について再考すべき時期を迎えている。
これからスポーツサイクルを始める人が、安全のため気をつけるべきことは、まず用途にあった車体選びだ。人気のロードバイクは速く、遠くまで走ることができるが、タイヤが細く、重心が高く、前傾姿勢が深いためふらつきやすい。スピードにこだわらないならば、タイヤが太めのクロスバイクなど安定性の高い車体が向いている。