ミーティングに参加した若手は「『とりあえず話だけ聞いておけ』と上から言われたんです」と話す。その場で決定できない人が多数出席する。それなのに命令した本人の瞼が重くなり、よく分からないままやってきた若手が熱心に話を聞く。若手は率直な自分の意見を喋ろうとする。しかし、彼の存在がこの地上にないと思われるほどに、幹部は彼の言葉なんか完全無視だ。さっきまで寝ていたのに!
…にも拘わらず、商談が案外うまくいったりする。こういう「日本らしい」旧態依然とした企業が思いのほかまだある。ミーティングでの眠りに寛容なのは、「会議とはコミュニケーションの場ではない」のだろう。
「どこがおもてなしの国なんだ!」と悪態をつきながら、「今度、眠りこけた人をみたらミーティングを中止してもよいか?」とヨーロッパ人に詰め寄られたこともある。「そうしてもいい。いや、すべきだろう」とぼくは答える。
これまで対話をしなくても何とか商売ができていたのは、その圧倒的な経済力をバックにした信用があったからだ。が、これからは大の大人がビジネスシーンで寝る非常識は許されない。
それほどに寝落ちは「国際問題」である。