キャリアをどこで積むか、どう仕事をするか
今あなたがどこに進むべきか迷っているなら「求められている場所」を選んでみてはどうでしょうか。考えるから悩むんですよ。例えば、「明日から来てほしい」と喜んで迎えてくれるような職場で、最終的な結果を頭に思い描きながら「今自分に求められていることは何か」を考えて努力すれば、自信がつき、結果もきっと出るはずです。
振り返ると、私は別に世間一般で言われるキャリアアップなんて考えたことはありませんでした。ただ、いつも「今自分にできない仕事をさせてくれるところ」「今よりも自分を鍛えられる環境」を求めていたことが、今につながっているんだと思います。
私自身、将来農業の会社を経営するなんて想像したことはありませんでした。大それた人生設計なんて必要ないと思います。言い方は悪いですが、自分で決断できないときには上手く流されていけばいいんじゃないかな。ただ、その中で仕事を面白くしていく努力はすべきでしょう。
皆さんも、あまり「キャリア」という言葉に深くとらわれすぎないほうがいいのではないでしょうか。誰にでも、キャリアを作るチャンスや方法なんていくらでもありますよ。配送ドライバーとしてがむしゃらに働いた経験が、今の私を形成する立派なキャリアになっているようにね。
国立ファーム有限会社
代表 高橋がなり氏
運送業のドライバーを経て、テレビ制作会社へ。テリー伊藤氏に師事し、『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』などの人気番組に携わる。95年にAV制作会社ソフト・オン・デマンド設立。2006年からは、農作物の生産・流通などを手掛ける「国立ファーム」をスタート。
小さな一歩の積み重ねが、大きなキャリアにつながる
「キャリア」という言葉をひと言で表現することは難しいし、人それぞれ違う解釈があって当然だろう。だからこそ、「キャリア」「キャリアアップ」という言葉を曖昧なままに使うのではなく、自分にとっての意味や価値を考えておく必要があるのではないだろうか。今回登場した2人に共通しているのは、ビジネスパーソンとして身につけてきたものを、未来への一歩につなげていくことを総じて「キャリア」と表現していること。そして、その一歩はそんなに構えるべきものではないと考えていること。小さな一歩の積み重ねが、大きなキャリアになる。高橋氏が言うように、キャリアを作るチャンスや方法は、誰にでもいくらでもあるのだ。だからこそ、構えすぎないことが、あなたらしいキャリアを作る一歩になるのではないだろうか。
(リクナビNEXT/2012年11月14日)