外国文化の中で生きる、あるいは外国語を介したコミュニケーションがベースとなる世界で行動するには100%分かりあえると確信をもてる領域にアンカーをなるべく早くおろし、そこからじょじょに範囲を広げていく。
「外国語の本は自分のよく知っているエリアから読み始めろ」というアドバイがあるが、それも確信のもてる点からスタートという趣旨からくる。
一挙に領域を広げることができれば良いが、ある程度の時間なしには達成できない。前述した7-8年は、この期間だ。それも、ある「沸騰点」に至ると、その後の拡大には大きな壁がある。
精神論で頑張るだけでなく「見切りをつけろ」と言う背景はここにある。逆に2-3年の滞在期間で不十分なのは学習曲線が右肩上がりの期間だけで「挫折の量」が少な過ぎるからだ。
もちろん、見切りをつけるには「この人なら任せることができる」との目星をつけないといけない。だからこそ、どんな文化圏にいても比較的共通の判断基準が通じやすい論理的表現力と人間力の勝負になってくるのだ。
あまり論理的な理解で苦労させないことが外国人観光客誘致のコツかもしれない。
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ローカリゼーションマップとは? 異文化市場をモノのローカリゼーションレベルから理解するアプローチ。ビジネス企画を前進させるための異文化の分かり方だ。
安西洋之(あんざい ひろゆき) 上智大学文学部仏文科卒業。日本の自動車メーカーに勤務後、独立。ミラノ在住。ビジネスプランナーとしてデザインから文化論まで全方位で活動。今年は素材ビジネスやローカリゼーションマップのワークショップに注力。著書に『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』 共著に『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか? 世界で売れる商品の異文化対応力』。ローカリゼーションマップのフェイスブックのページ ブログ「さまざまなデザイン」 Twitterは@anzaih