2つ目の背景は、「試活」と呼ばれる行動です。そもそも入社するつもりは一切ない状態で、志望企業の選考に万全の状態で挑めるように、練習として選考に参加すること。つまり「お試しの就職活動」です。
そもそもは、「内定取り消し」に対するリスクヘッジとして、数多くの企業選考に参加していた就職活動生ですが、リーマンショックによる影響が収まってきた、ここ1、2年でもこういった辞退者が減らないのは、こういった選考の受け方をする就職活動生が増えたからと言えるでしょう。
本命企業の前に「準備」をしなくてはならないほど、学生が就職活動に対して身構えていることが分かります。
これら2つの背景から、一部の優秀な就職活動生が、内定を複数持つこととなり、「内定辞退」者が数多く生まれ、その裏で、未内定者も生まれるのです。
もちろん、今まで「内定辞退」が一切なかったとは言いませんが、一部の超人気企業を除いて、その人数が日本規模で急増したことは間違いのないことです。そういった民間企業における就職活動の仕方が、公務員志望者にも広がったのでしょう。