講演会では、若年離職を避けるにはどうすればいいのか、参加者で討論も行った=2012年12月22日、埼玉県さいたま市のアウトスタンディング本社(4大学合同_有志学生記者撮影)【拡大】
売り込むのではなく
かつて営業マンだった稲井田さんは、営業がうまくいかなかった経験があるという。
「自分の成績を上げたいがために、『これが売れればいいなー』という気持ちで相手に臨んでいた。すると下心が伝わってしまい、相手に受け入れられなかった。そこで、考え方を変え、自分のためではなく、相手の幸せを第一に考えるようにした」
稲井田さんは、営業で企業を訪問した際、相手の担当者の地位をどのようにして上げるかを考えるようにしたという。
「例えば、その担当者の上司に会ったら、『○○さんにはいつもお世話になっております』と、その担当者を必ず持ち上げた。その担当者の昇進に必要な資料があったら、進んで自分が作るようにもした。要は、相手が喜んでくれることをしていく。すると、値段とかは関係なく売れていくようになった」
自分の営業成績のために相手に売り込むのではなく、相手の利益になる行動を心がけるという意識を持つことが、結果として成績アップにつながった。