就職活動中の若者の間には、明確な定義がないまま「ブラック企業」という言葉が一人歩きしている【拡大】
7月上旬の小雨がぱらつく土曜日。「あべの」では、企業の求人情報が並ぶパソコンの画面を、食い入るように見る人々の姿が目立った。隅の席では真剣な表情で画面を見つめ、閉館時間ぎりぎりまで粘る女性がいた。転職活動を進める大阪市の篠原春香さん(23)=仮名。現在はサッシ製造販売会社に事務職として勤務しているが、8月末で退職する。
「経営状態が悪くて先が見えない。次は安定したところで働きたい」
現在の会社には高校卒業後すぐに入社した。だが、入社2年目からボーナスは支給されず、昨夏からは全員が基本給10%カットになり、月給は約18万円から約15万円に下がった。同期は自身も含めて6人いたものの、今では2人しか残っていない。当然、社内の居心地もいいわけではない。ありがちだが、直属の上司は気分次第で指示が変わる。現状への不満と、将来への不安が抑えきれなくなり、退職届を出したという。
いまなお転職先が見つかっていないという篠原さんは、こう振り返った。