「子供向けではない、大人の鑑賞に耐えうるアニメを作ろう」。こう呼びかけたのは、総監督を務めた富野由悠季(よしゆき)さん(71)だった。富野さんは登場人物を造形するキャラクターデザイナーに、「宇宙戦艦ヤマト」などの制作に携わった安彦良和さん(65)を指名。そしてロボットなどをデザインするメカデザイナーに抜擢されたのが、昭和47年放送のテレビアニメ「科学忍者隊ガッチャマン」でメカのデザインを担当し、メカ専門のデザイナーとしてデビューした大河原さんだった。
「ヒットするかどうかは分からないけれど、これはすごいアニメになるぞ、という確信はありました」と、大河原さんは当時を振り返る。
スペースコロニーに住む宇宙移民のジオン軍と地球連邦軍が戦争を繰り広げるというストーリーを、富野さんが考案。安彦さんは主人公のアムロやそのライバル、シャアなど個性豊かな登場人物の造形を担当した。そして、大河原さんはアムロが操縦するガンダムなどのデザインを手掛けた。後にアニメ界に次々と革新をもたらす3人の“異才”が結集し、画期的な分業体制で名作を生んだ。