女性向け「官能小説」人気、レーベル相次ぎ誕生 社会進出とリンク (2/3ページ)

2013.11.9 18:58

 IT企業を舞台に、冷徹な上司とひそかにSMに興じる女性システムエンジニアが主人公の『欲ばりな首すじ』(かのこ著)にもコンセプトは浸透している。仕事熱心な等身大の女性が内に秘める強さと弱さをすくい上げ、同性の共感を誘う。上司の容姿やしぐさも細かく描写し、理想の男性像をさりげなく打ち出す。

 波多野編集長は「男性作家による官能小説に違和感を抱く女性は多い。ひたすら受け身で都合がいい存在ではなく、しっかり自立している…そんな大人の女性たちの濃密な恋愛物語を提供したい」と話す。

夢が満載の設定

 “乙女系”と呼ばれるファンタジー色の濃い作風を押し出すのがシフォン文庫(集英社)だ。西洋やアラブなどの王朝を模した舞台設定で、貴族や王族同士の恋愛もつづる。「設定に現実感がない方が、ピュアな恋愛に浸れて、嫌なことも忘れられる。格好いい男性、華やかな舞台、おいしい料理…。男性が書く官能小説とは違い、女性の夢が満載です」と編集部の堀井さや夏さん。読者層は20~30代を中心に50代まで幅広い。作品もすでに30点を超え、「どれも安定した売れ行き」という。

 今年2月にはイースト・プレスがソーニャ文庫を発売。11月にはリブレ出版の乙蜜ミルキィ文庫も発売される予定で、官能レーベルの創刊は相次いでいる。芸術評論誌『ユリイカ』(青土社)が7月号で〈女子とエロ・小説篇〉と題した特集を組むなど、ブームを論じる動きも目立つ。

官能小説人気は「女性の社会進出とリンクした動き」

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

実践で使える英会話を習得!業界最高峰の講師がサポートします。毎日話せて月5000円《まずは無料体験へ》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

サンスポ予想王TV

競馬などギャンブルの予想情報を一手にまとめたサイト。充実のレース情報で、勝利馬券をゲットしましょう!