2型糖尿病は膵臓から分泌されるインスリンの効きが悪くなることで主に発症する。その原因として、アディポネクチンが内臓脂肪型の肥満により減少することが大きく関係していることが分かっている。
東大グループは、アディポネクチンが筋肉や肝臓の細胞で作用する際の受容体(鍵穴)に着目。分泌減少により鍵穴にはまる数も減るため、インスリンの作用が低下する。だが、鍵穴にはまる新たな化合物を作り出せれば、アディポネクチンと同様にインスリンの作用改善を期待できるのではないか、と研究を続けた。鍵穴の方は平成15年に同グループの山内敏正講師が発見。それに続く今回の発見は、その鍵穴にはまる物質を見つけたものだ。
運動と同等の効果
アディポロンが将来実用化されれば、メタボや糖尿病の予防・改善の手法が様変わりする。現状では、糖尿病患者らの中には肥満による膝痛や心疾患で運動療法が難しい人がいる。これに対し、この治療薬候補は骨格筋細胞の中で運動したのと同等の作用が働くことがほぼ証明されているからだ。これについては、8月下旬に大阪府豊中市で開催されたアディポサイエンス・シンポジウムで先行して内容が発表され、会場の参加者から質問が殺到するなど大きな反響を呼んだ。