糖尿病はそうでない人との寿命差が約10年あることが明らかになっている。門脇教授は「メタボや糖尿病などは食事や運動で予防するのが最善だが、実行できない人が多い。アディポロンはそうした生活習慣病の根本的な治療薬となる可能性がある」と、医薬の常識を変える研究に期待をにじませた。
◇
肥満の概念変える物質
アディポネクチンは平成7年、大阪大教授だった松澤佑次氏(現・住友病院長)らのグループがヒトの脂肪細胞から分泌される善玉ホルモンとして世界で初めて発見した。
内臓脂肪が蓄積するとアディポネクチンの分泌が減少するメカニズムが判明したことで、肥満は主に内臓脂肪型と皮下脂肪型の2種類に分けられ、肥満症治療の方法が大きく変わった。内臓脂肪型の場合はこれまで危険視されてこなかった小太りの人でも、さまざまな生活習慣病の要因となる。逆に皮下脂肪型の人は肥満が直接、生活習慣病につながらないと指摘されるようになった。