「バラの香り」は昨年登場し話題を呼んだため、今年、「アロマグリーンの香り」を追加した。「バラの香り」は好調だった昨年の約2倍の売り上げで、一度、品切れになり、増産するほどの人気だという。
蚊取り線香の市場は業界全体で年間100億円を売り上げる。ただ、購入者層は中高年世代が中心で、若い世代にも使ってほしいと、香りに目をつけたという。同社は、「やはり、煙が臭いという意見があります。そこで、若い人にも使ってもらえるよう、いい香りの商品を企画しました」と話す。
「バラの香り」は赤紫色、「アロマグリーンの香り」は若草色と、従来の蚊取り線香にはなかった色である点も、注目されているという。
個人が「香り」楽しむ時代に
香り付きの商品が人気を集める背景には、「日本人の香りの文化が住空間中心から個人中心に移ったことにあるのでは」と、「別府大学大分香りの博物館」(大分県別府市)参与で、東京農業大学客員教授(香料学)の吉田千秋さんは分析する。