応用の利く成功哲学を分かりやすく
米のビジネス思想家、スティーブン・R・コヴィーが書いた原著は、世界で3000万部を突破するベストセラー。ビジネスから家庭まで、さまざまな局面に応用できる成功哲学を説く。難解との評もあった、そんな原著の日本語訳のエッセンスを、漫画のストーリーに乗せて、分かりやすく説明している。
主人公はバーテンダーを目指す23歳の女性。人のいいマスターのもとで修業を始めたはいいが、自らのコミュニケーション力の欠如を棚に置いて客に腹を立てたり、受け身の姿勢をとがめられたり…と、最初は失敗ばかり。そんな女性が、店での客との出会いを通して、〈主体的であること〉〈まず相手の理解に徹すること〉といった習慣を身をもって学び、着実に成長していく姿が描かれる。
10月に刊行され、すでに6刷28万部に達した。読者層の中心は、働き方を模索する20~40代。「ビジネス書を読むのが苦手な女性でも感情移入して読んでいただける」(宝島社)と、若い女性を主役にした戦略もはまり、女性読者が5割を占めるという。
作中に出るカクテルを、欄外で一つ一つ丁寧に解説してくれるのもうれしい。(小山鹿梨子まんが、フランクリン・コヴィー・ジャパン監修/宝島社・1050円)
海老沢類