【書評】『知の武装 救国のインテリジェンス』手嶋龍一、佐藤優著 (1/2ページ)

2014.1.19 15:16

 国際情勢読解の技法を満載

 シリア危機で見えた米国の超大国終わりの始まり。異形の大国・中国は尖閣諸島への領海侵入や防空識別圏を設定し、膨張を繰り返し、北朝鮮は核・ミサイル開発をやめない。にわかに緊迫する東シナ海など日本を取り巻く国際情勢の深層を日本最強の外交的知性である手嶋龍一氏と佐藤優氏が「読解」する。

 インテリジェンスの語源はラテン語のinter(間を)lego(読む)で、「行間を読む」の意味だ。インテリジェンス感覚を磨けば、新聞のベタ記事から国際情勢を読み解き、近未来の変事を察知できる。本書はその技法とセンスが満載されている。

 「アベノミクス第四の矢」など経済的側面で論じられることが多い2020年東京五輪開催だが、本書は「尖閣防衛の盾になる」とアジア安保に大きな影響があると説く。「東アジアの平和を先導する祭典」にすることで、「ロシア、韓国と和解し、中国を平和の祭典に引きずり込む戦略が描ける」からだ。

「中韓に楔を打ち込むため韓国との関係改善を優先すべきだ」と提言

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