気付けば父と同じ道に… 明治大教授・演出家 福田はやるさん (3/4ページ)

2014.2.15 11:29

「いくら心で思っても、形で見えないとお客さんに伝わらない。父の演劇には心を見せる形がありました」と話す福田●(=勉の力が「、」ににてんしんにゅう)さん(野村成次撮影)

「いくら心で思っても、形で見えないとお客さんに伝わらない。父の演劇には心を見せる形がありました」と話す福田●(=勉の力が「、」ににてんしんにゅう)さん(野村成次撮影)【拡大】

  • 福田さん(左)の長男(右)を膝の上に乗せる父、恆存さん=昭和56年(福田さん提供)

 ●さんが戯曲の翻訳や舞台演出の道に進んだのは、明らかに恆存さんの影響だ。恆存さんは、●さんが幼稚園の頃から芝居や歌舞伎を見に連れて行ってくれた。●さんは華やかな舞台に見とれ、夢中になったという。ただ、一緒に見ていた3歳上の兄は全く興味を示さなかったといい、演劇好きの恆存さんのDNAは●さんだけが受け継いだようだ。

 「父に引きずられて芝居を作ることに魅せられた私は、父のエピゴーネン(模倣者)かもしれない。自分では全く意識していないのに、何をやっても気がつくと父の跡をたどっていた。これはもう、しようがない」。●さんは、自分が何を書いても恆存さん以上の文章は書けないだろうし、恆存さんの思想も超えられない。オリジナルな思想は自分の中から出てこないだろう、と感じている。

 しかし、こうも考えている。「私には私の書き方があり、今の時代に生きる私だからできることもある。父の手のひらの上かもしれないが、これからも私の感性と文章で表現したいと思う」(平沢裕子)

親父の評論集、戯曲集、対談座談集、ほぼ全部読んじゃいました

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