副交感神経の機能低下
中高年に多いのは弛緩(しかん)性便秘と言われるタイプで、原因は副交感神経の機能低下。「副交感神経が優位になる夜間は腸が収縮し、交感神経が優位になる朝に収縮が止まる。こうして腸のぜん動運動が起きて便が腸内を移動するが、加齢によって副交感神経が機能低下した結果、腸内を移動するのに時間がかかるようになってしまう」(小林教授)。副交感神経の機能低下は男性が女性より約10年早い30歳頃から始まるため、男性患者が中年以降に増加する一因でもある。
食物繊維の不足による便の総量の減少も弛緩性便秘に拍車を掛ける。加齢で善玉菌が減少し、腸内環境は悪化する。改善のためには食生活をはじめとする生活習慣の見直しは必須。「6時間以上の睡眠を取り、食生活は食物繊維を意識して摂取する。腸へ刺激を与えるためにも朝食はしっかり食べ、夜の食事は午後8時までに終わらせるか、できなければ量を少なくする」(小林教授)のがポイントだ。