「空港方面ですね。それなら乗車券は30番の窓口で販売しています」。バングラデシュの首都ダッカ。ダッカ・コムラプール駅(ダッカ中央駅)案内所にいた若い男性は、きっぱりとそう言った。鈍行列車の窓口に行ってみると、番号表示はベンガル語だけ。どこが30番なのか見当もつかない。
バングラデシュには親日家がとにかく多い。「おはようございます」「こんにちは」と日本語で声をかけてくるから「こんにちは」と返せば、それで満足げにうなずいて去っていく。ものを売りつけたり金銭をねだることはないので気は楽だが、ときには記念撮影も頼まれるし、なんといっても人口が多いので時間がかかる。
30番をようやく探し当てると、案の定「残念ながら、この窓口ではなくふたつ先です」との返答。見れば、わたしの前に並んでいた人もその前の人も、ふたつ先の窓口に並び直している。謎めいたしくみに疑問を感じつつ、ようやく乗車券を入手した。1時間ちょっと乗車して20タカ(バングラデシュの通貨はタカ)。日本円で約28円。往復乗車券を購入しようと尋ねると、片道でも往復しても料金は同じだと言う。これもよくわからない。