『新たな反日包囲網を撃破する日本』【拡大】
■カラクリを暴き対抗策を提示
昨年末の安倍晋三首相の靖国参拝で「失望」を表明したオバマ政権は、さらに「河野談話」見直しについても強い懸念を伝えてきたと報じられています。あたかも中国、韓国が世界で展開している「ディスカウント・ジャパン(日本の地位失墜運動)」と歩調を合わせるかのように日本へ圧力をかけてくるアメリカ政府に対し、日本国内でも不満が高まっています。
本書では、なぜ中国・韓国の侮日外交に、日本の同盟国アメリカが乗ってしまったのか、その背景を詳細に解説しています。オバマ政権の歴史観の欠如、国防総省と国務省の対立といった国内事情、オバマ政権の分裂につけ入る中韓のロビー活動、日本国内の一部メディアによる世論操作…。現在展開されているそうした「新たな反日包囲網」の実態とカラクリを暴き、日本の対抗策を提示しています。
加えて、昨年、新たな防空識別圏を設定した中国は、東シナ海での挑発行動をエスカレートさせていますが、日中軍事衝突の可能性を中国の戦争遂行能力、そしてアメリカの世界戦略の変化から検証し、日本有事にいかに備えるべきかを論じています。
一方、国内では、先の都知事選で見られたように、国の安全保障に関わる原発問題を地方選挙で問う危険性に警鐘を鳴らし、反原発運動の欺瞞(ぎまん)をあぶり出しています。
いま日本を取り巻く危機の本質を、稀代(きたい)の碩学(せきがく)が歴史、政治、地政学などの観点から読み解いた本書は、「世界の見方」を大きく変える一冊でもあります。(徳間書店・本体1600円+税)
徳間書店 一般書籍編集部 明石直彦