3週間後に大切な試合が控えており、「試合後に手術を受けたい」と訴えましたが、医師の答えは「衝撃でがん細胞が体中に散らばる危険がある。賛成できない」。横浜市立大付属病院を紹介してもらい、7月に右腎臓の全摘出手術を受けることになりました。
「絶対にプロレスに復帰したい」と考え、腹部に小さな穴を開ける腹腔鏡(ふくくうきょう)手術という方法を選びました。ただ、腎臓を1つ摘出すると、残った腎臓に大きな負担がかかります。手術前夜、担当医師に「小橋さんが生きるために手術をするんです。プロレスに復帰するとは言わないでください」と諭され、「まず生きることを目指そう」と気持ちを切り替えました。
手術は成功し、転移もありませんでした。退院したのですが、ひどい倦怠(けんたい)感に襲われ、何もする気がしない。腎臓への負担を避けるため、「あまり動かないように」とも言われていました。「これからどうなっていくんだろう…」。暗い気持ちで一日中、ぼんやりとソファに座っていました。