【江藤詩文の世界鉄道旅】インディアン・パシフィック鉄道(3)世界最長の直線線路…運転席からの眺めは“ナラボー” (2/2ページ)

2014.8.31 18:00

係員のマイクが撮影したインディアン・パシフィック号。アデレードで機関車を1台切り離し、パースまでは1台の機関車で牽引する

係員のマイクが撮影したインディアン・パシフィック号。アデレードで機関車を1台切り離し、パースまでは1台の機関車で牽引する【拡大】

  • 運転士のダイブ。線路がまっすぐだから、簡単に運転できるというわけではないそうだ
  • 運転席からの“ナラボー”な眺め
  • 意外とコンパクトな運転席。2名の運転士が交代で運転している
  • 給水したりゴミを運び出したり。乗客がのんびり身体を伸ばしているあいだに、慌ただしく働く乗務員たち

 ふだん人々が乗降していないクック駅には、プラットフォームがない。客車にはステップが用意されるが、それでも足元に不安のある乗客は下車せず、車内で過ごしていた。機関車や食料庫などバックステージには、ステップなどもちろんない。ダイブは、私ならよじ登れそうだと見込んだのか、運転席に招き入れてくれた。

 クック駅は、世界最長とされる全長約480キロの直線区間上にある。「ここはナラボー平原。オーストラリアでは、“ナラボー”はアボリジニのことばで“何もない”という意味だと言われています」。

 ときどきソルトブッシュがあるだけの、何もないまっすぐな線路。この赤い大地が夕陽に染まる瞬間を、運転席から一望するとき、「この仕事を選んでよかったと思う」と、ダイブは言った。

■取材協力:オーストラリア政府観光局

■江藤詩文(えとう・しふみ) 旅のあるライフスタイルを愛するフリーライター。スローな時間の流れを楽しむ鉄道、その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化などを体感するラグジュアリーな旅のスタイルを提案。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。現在、朝日新聞デジタルで旅コラム「世界美食紀行」を連載中。

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