「ボルドーへ行くなら、次のフライトに振り替えるより、鉄道で移動したほうが早く到着します」
フランス・パリのシャルル・ド・ゴール国際空港にて。案内所にいた、ちょっと神経質そうな細面の若い女性は、きっぱりとそう言った。
やった! ほんとうはエールフランス航空のボルドー行き国内線に乗り継ぐはずだった。しかし搭乗を予定していた便が、フランスでは日常的と言っていいほど頻繁に発生するストライキの対象になり、欠航になったのだ。さまざまなスケジュールの都合で、一度は諦めたTGV。フランスが誇る高速列車に乗れるなんて。暗澹とした表情の他の乗客には申し訳ないが、思わず小躍りしそうになる。
時刻はまもなく午後1時30分を回る。「空港を出てモンパルナス駅行きのシャトルバスに乗ってください。所要時間は1時間ほどですが、乗車券を購入したり、お荷物もあるでしょうから、ゆとりをみて午後3時25分発の列車に乗ってはいかがでしょうか」。彼女の説明を手帳に書き留める。