ベトナムでは今も土葬が多く、ハノイで会ったガイドのコンさんによると「肉は不浄だから土に埋めて落とし、3年後に骨だけ掘り出す。それを高級な香水で洗ってあげると天国に行ける」そうだ。洗骨しないで肉が付いたままだと「地獄に堕ちて閻魔大王に裁かれる」とか。
古都フエ郊外にあるホテルを出て、ラオスとの国境に近いフォンニャケバン洞窟へ向かう途中、ほどなくして山の斜面に豪華な霊園が現れた。個々のお墓は沖縄の亀甲墓のように大きい。カラフルな陶器を張り付けているのだろうか。とても派手派手しい。
この辺りに住む富裕層の多くがベトナム戦争前に米国へ脱出。そして亡命先で成功を収め財をなしたベトナム人たちは、祖国に残してきた家族が死ぬたびに隣と競い合うように豪華な墓を建てていったそうだ。
近くのリゾートホテルに長期滞在する西洋人が興味を示し、現地ガイドとともにピクニックのようにお墓巡りを楽しむこともあるという。
ファンニャケバン洞窟近くの村ではキリスト教の墓を見掛けた。多くは教会の形をしており、ベトナムのガイド本などを出している旅ライター、鈴木博美さんは「現地の風習と融合した結果ではないか」と鋭く分析。