学会でも注目
このケーキは、糖尿病患者と多く接し、その心情を熟知する専門医の西影院長の思いも反映されている。同クリニックが糖尿病患者にアンケート(53人回答)を行ったところ、7割以上が週に数回以上、甘い菓子類を食べてしまい、「ほぼ毎日」という人も17%いた。
向山さんらの成果は5月の日本糖尿病学会年次学術集会で発表され、単なる菓子にとどまらず、食事療法の新たな方法として注目を集めた。向山さんは「味と低カロリーなどを重視した商品が増えれば、患者さんが生活の質(QOL)を下げずに、食事療法を続けられる」と話している。
■難しい食事療法継続
日本人の糖尿病患者とその予備軍の合計は2050万人(平成24年国民健康・栄養調査)。治療の基本となるのが食事療法と運動療法で、食事療法は適正なカロリーと栄養バランスで血糖値上昇を抑え、症状悪化と合併症を防ぐ。
だが、頭で理解できても実行は難しく、糖尿病研究・治療の権威で国立国際医療研究センター総長の春日雅人氏によると、糖尿病外来での診察経験から「指示された食事療法を1年間継続できる人は1割以下で、食事に少し気をつける、といった程度のことでも半数から7割くらいの継続率」という。