【江藤詩文の世界鉄道旅】中国・大連 路面電車(2)運転手も車掌も女性ばかり…接客業らしい気配りは? (2/2ページ)

2014.10.19 18:00

髪にピンク色の大きなリボンをつけた若い女性車掌。カメラを向けても気にすることもなく泰然としている

髪にピンク色の大きなリボンをつけた若い女性車掌。カメラを向けても気にすることもなく泰然としている【拡大】

  • 202路の沿線の風景。近代化が進み高層ビルが林立する大連だが、路面電車が走る線路沿いには、こんな一画も残されている
  • メタリックな塗装を施された新型車両
  • こちらも新型車両。車内はいつも混雑していた

 別に日本人の私にだけ素っ気ないわけではなく、おっくうそうに手を振りながら、どの乗客も公平に淡々とさばいている。彼女たちにとって、市電の乗務員は「接客業」ではないのだろうな。この“めんどくさい”と言わんばかりの愛想のなさは、ヨーロッパの地方の村のローカル線に匹敵する。

 だけど。空港では女性も男性も流暢な英語でにこやかな接客をしていた。滞在したホテルや両替に立ち寄った銀行でも、中国人スタッフのホスピタリティの高さに感動した。きっと、まもなく大きな変化が訪れるだろう。この中国風接客も、いまだけしか味わえないのかもしれない。

■江藤詩文(えとう・しふみ) 旅のあるライフスタイルを愛するフリーライター。スローな時間の流れを楽しむ鉄道、その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化などを体感するラグジュアリーな旅のスタイルを提案。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。現在、朝日新聞デジタルで旅コラム「世界美食紀行」を連載中。

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