【江藤詩文の世界鉄道旅】シーニゲ・プラッテ鉄道(2)力強い揺れと音、絶景、澄んだ空気も…登山列車で味わえるもの

2014.11.2 18:00

飽きることなく、いつまでも車窓の眺めと風を楽しんでいたアメリカ人の少女

飽きることなく、いつまでも車窓の眺めと風を楽しんでいたアメリカ人の少女【拡大】

  • こちらがその舞台裏。背丈が届かない少女は父親の太ももに乗り、しっかり支えられていた
  • 色とりどりの高山植物が咲き誇るなかを、2両編成の小さな鉄道はゆっくり走る
  • スイスアルプスのみごとな眺望。見下ろすと勾配のきつさがわかる
  • 標高は1967m。アルコールの飲み過ぎは禁物だが…。乾いた空気のなかの冷えた一杯は極上の味わい
  • スイス人からも大人気だったエフエム東京のアナウンサー、古賀涼子さん

 車窓をカメラに収めようと、全開にした窓から身を乗り出すたびに、んん? プラチナブロンドのちっちゃな頭が、ぴょこんと飛び出してくる。レンズ越しにのぞく透明感のあるブルーの瞳は、好奇心できらきら輝いている。小さな天使は、アメリカから来た11歳、5歳、3歳の3姉妹の末っ子。両親と祖母、3世代で家族旅行をしている。

 登山鉄道の楽しみは、格別だ。2本のレールの間に敷かれたラックレールのしくみにはいつも感心させられるし、歯車が噛み合うときの重厚感ある低音も旅情をそそる。急勾配に差し掛かると重力を体感できるのもいい。

 眼下にはスイスアルプスの雄大なパノラマが悠々と広がっている。乗客はみんな窓を大きく開けて、アルプスの美しい空気を存分に味わっている。「こういう列車は大好き」と、おちびちゃん。大きくなったら鉄道ファンになるかもしれない。

 「登山鉄道の旅は、鉄道初心者でも満喫できますね」。そう話すのは、スイスを取材に訪れていたエフエム東京の人気アナウンサー、古賀涼子さん。子どもだけでなく大人でも、この列車は、思わず身を乗り出したい誘惑にかられるのだ。笑顔で車窓を眺める彼女に、列車交換ですれ違う運転手や車掌、乗客がみな手を振って通り過ぎていった。

 登山鉄道といえば、日本では、日本が誇る登山列車「箱根登山鉄道」が、昨日11月1日から、25年ぶりとなる新型車両「アレグラ号」の運転を開始した。箱根登山鉄道は、スイスのレーティッシュ鉄道と姉妹鉄道になって35周年の記念年を迎えている。アレグラ号にも近日、乗車してみたいと思う。

■取材協力:在日スイス大使館

■江藤詩文(えとう・しふみ) 旅のあるライフスタイルを愛するフリーライター。スローな時間の流れを楽しむ鉄道、その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化などを体感するラグジュアリーな旅のスタイルを提案。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。現在、朝日新聞デジタルで旅コラム「世界美食紀行」を連載中。

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。