一方、卵子をつくるには多くのエネルギーがいるので、一度にたくさんはつくれない。このためメスの場合、どんなに多くのオスと交配しても、できる子の数は自分のつくる卵子の数より多くなることはない。つまりメスは、多くの異性と交配することで残す子の数を増やす、というオス型の戦略をとることはできない。
ではどうするかというと、貴重な卵子をしっかり生き延びさせるという戦略をとる。子どもによい遺伝子を伝えられる健康なオス、あるいは子どもが育っていくのに必要な資源をたくさんもっているオスを選ぶのである。
ここまできたら「女は上書き・男は別名保存説」の立論までは間近である。男性が別れた彼女と何かの拍子に一夜を過ごし、それが彼女の妊娠につながる可能性は、おそらくゼロではない。ならば、別れた彼女のことも忘れずにそんな機会を待っていたほうが、より多くの子を残せるだろう。