第3位 インディアン・パシフィック鉄道/オーストラリア
シドニーとパース間4352キロを3泊4日かけて駆け抜ける大陸横断鉄道。機能的で清潔なコンパートメント、フレンドリーなオージーらしいホスピタリティ、充実したミールやドリンク、ストレスのない観光への誘導など非の打ち所がない。赤い大地に夕陽が沈み地球が真っ赤に染まる一瞬は、死ぬまでに一度は見たい絶景だ。
第2位 ハルツ狭軌鉄道/ドイツ
“ブロッケン現象”の名前の由来になったブロッケン山の山頂と、ふもとの街ヴェロニゲローデを結ぶSL鉄道。東西冷戦時代には山は分割され、鉄道は封鎖の憂き目にあった。2014年は冷戦の象徴だった「ベルリンの壁」が崩壊して25周年。旧東側が保持していた蒸気機関車は、翻弄された歴史をいまに語り継いでいる。
第1位 バングラデシュ鉄道/バングラデシュ
ベスト5のなかで唯一「誰にでも」とはおすすめしにくい鉄道がこれ。いまだかつて、こんなにめちゃくちゃな鉄道は乗車したことがない。車両にはドアがなく、列車が動き始めても人がどんどん乗り込んでくる。屋根の上に座っている人たちは、目が合うと笑顔で手を振ってくれた。動いている列車から落ちたのも、何事もなく済んだいまだからこそ笑い話だ。
■江藤詩文(えとう・しふみ) 旅のあるライフスタイルを愛するフリーライター。スローな時間の流れを楽しむ鉄道、その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化などを体感するラグジュアリーな旅のスタイルを提案。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。現在、朝日新聞デジタルで旅コラム「世界美食紀行」を連載中。ブログはこちら