【江藤詩文の世界鉄道旅】ハルツ狭軌鉄道(4)加速し過ぎて寒空で待機…SL機関車は急には止まれない! (1/2ページ)

2014.12.7 18:00

これから山頂に向かうウクライナの旅行者。メルアドやSNSのIDを書き留めたメモを投げてくれた。列車の旅は、一瞬のすれ違いから生まれる出会いが楽しい

これから山頂に向かうウクライナの旅行者。メルアドやSNSのIDを書き留めたメモを投げてくれた。列車の旅は、一瞬のすれ違いから生まれる出会いが楽しい【拡大】

  • 給水中の機関車。停車するたびに副機関士は部品を手で確認し、安全運行のためにメンテナンスを怠らない
  • いよいよ出発。汽笛を短く鳴らして、すれ違う機関士同士が大きく手を振り合っていた
  • 客車。この5両編成の下り列車の乗客は、わたしひとりだった。オフシーズンであることに加え、ほとんどの観光客は、山頂でゆっくり過ごすのだという
  • こちらは比較的新しい車両。古い車両は、じゅうぶんな数が残っていないため、いろいろなタイプの客車を連結して走らせている
  • 機関士が手作業で連結する接続部

 最高時速30キロの安全運転のために、目と手を駆使して絶妙に速度をコントロールしていたベテラン機関士のフランク。しかし機関士と副機関士がともに若手でコンビを組むと、とんでもないスピードが出ることがあるようだ。

 12時21分にブロッケン駅を出発した8926号は、時刻表通りであれば、13時11分に標高685mのシエルケ駅に到着するはずだ。ちなみにフランクは、途中駅で車いす利用者の乗車を手伝ったため、3分ほど遅れたものの、ほぼ時刻表通りに列車を運行していた。

 ところが帰路、鉄道がシエルケ駅に到着したのは12時46分。じつは走行中から、いくら下りでスピードが出やすいとはいえ、なんだか速すぎる気がしてひやひやしていたのだ…。線路は単線で、上りと下りの列車は駅ですれ違うため、上り列車が通過するのをひたすら待つ。

 機関士と副機関士は、何が楽しいのか大笑いをしながら給水作業に取りかかった。ブロッケン線は、ドライ・アンネン・ホーネ駅でハルツ横断鉄道から分岐して、ブロッケン駅を目指す路線。走行距離はわずか16キロだが、上りはドライ・アンネン・ホーネ駅とシエルケ駅、下りはドライ・アンネン・ホーネ駅で給水時間が設定されている。

大笑いは腕の見せどころで“失敗”した照れ隠しだった?

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