最高時速30キロの安全運転のために、目と手を駆使して絶妙に速度をコントロールしていたベテラン機関士のフランク。しかし機関士と副機関士がともに若手でコンビを組むと、とんでもないスピードが出ることがあるようだ。
12時21分にブロッケン駅を出発した8926号は、時刻表通りであれば、13時11分に標高685mのシエルケ駅に到着するはずだ。ちなみにフランクは、途中駅で車いす利用者の乗車を手伝ったため、3分ほど遅れたものの、ほぼ時刻表通りに列車を運行していた。
ところが帰路、鉄道がシエルケ駅に到着したのは12時46分。じつは走行中から、いくら下りでスピードが出やすいとはいえ、なんだか速すぎる気がしてひやひやしていたのだ…。線路は単線で、上りと下りの列車は駅ですれ違うため、上り列車が通過するのをひたすら待つ。
機関士と副機関士は、何が楽しいのか大笑いをしながら給水作業に取りかかった。ブロッケン線は、ドライ・アンネン・ホーネ駅でハルツ横断鉄道から分岐して、ブロッケン駅を目指す路線。走行距離はわずか16キロだが、上りはドライ・アンネン・ホーネ駅とシエルケ駅、下りはドライ・アンネン・ホーネ駅で給水時間が設定されている。