■センスがいい・悪いの印象が香りによって変わるのは、脳科学的には当然のこと?
脳科学者の澤口俊之先生の話によると、香り情報を処理する主な脳領域の一つ(前頭眼窩皮質)は「感情的な価値判断」に関与することが分かっている。「センスの良さ」というのは、そうした価値判断の一種なので、センスがいい・悪いの印象が香りによって変わるのは、脳科学的には当然のことだという。また、この脳領域は視覚情報も処理しているので、感情的価値判断は視覚でも起こる。
しかし、接近した状態で相手の香りが脳内で処理されると、視覚情報による価値判断を打ち消したり変えたりすることがある(「印象」の多くは感情的価値判断の一種)。感情的価値判断は仕事や恋愛を含めた人間関係の要。香りによる価値判断の重要性を再確認してみてはいかがだろう。
今回の調査の結果、香りが人の印象に与える影響について、嗅覚情報は、感情や記憶に深く関わる脳領域にほぼ直接的に伝わるため、視覚情報に劣らず印象に深く関係していると言える。また、香りは記憶と強く結びつき、香りによって記憶が想起されやすいことは、脳科学的に実証されているので、香りを上手くつけて、いい印象を与えてみるのも身だしなみの大切なポイントといえそうだ。
【調査対象】美容師 100人
【調査方法】インターネット調査(調査会社の登録モニター活用)
【調査期間】2013年12月24日~25日