経団連労使フォーラムで講演する連合の古賀伸明会長=26日、東京都千代田区(三尾郁恵撮影)【拡大】
日本で春闘方式が採用され、今年で60年を迎える。多くの課題を労使で真摯(しんし)に解決してきたプロセスは、これからも力を発揮する必要がある。
世界の景気動向はまだら模様で、日本もアベノミクスによる円安、株高効果はあるが、実質賃金は17カ月連続で前年比マイナスだ。
こうした中、格差社会に一層の拍車がかかっている。一部の層だけでなく、すべての働く層への適正な配分と、それによる個人消費の増加が必要だ。中小企業では人材減少が顕著で、賃金を含む労働条件の向上が求められる。非正規雇用者の賃金上昇も重要になる。
一方で、労働時間短縮の取り組み強化による、真のワークライフバランス社会の実現や、地場企業の活性化による地域活性化も不可欠だ。
日本社会の持続可能性が問われ、デフレ脱却など課題を抱える中、新たなサイクルで経済の好循環をもたらすためにも、今年は日本経済にとって踏ん張りどころだ。