【最先端の鬱治療とは(4)】どこまで性格?どこから病気? 自己と向き合う30回の「TMS治療」 (2/4ページ)

2015.3.2 22:34

TMS治療機器のシートに座って電磁コイルを頭に当てる記者=東京都新宿区西新宿の新宿メンタルクリニック

TMS治療機器のシートに座って電磁コイルを頭に当てる記者=東京都新宿区西新宿の新宿メンタルクリニック【拡大】

  • 新宿メンタルクリニックにある63台のTMS治療機器はハブコンピューターでつながっている=東京都新宿区西新宿

 当てる角度が悪いと三叉(さんさ)神経に触れて鼻や頬がしびれて痛みが走ることもあるそうだが、いまのところ経験せずに済んでいる。治療の間にDVDを鑑賞できる環境は整っているが、さすがにその余裕はない。

 「II型障害は性格の中に病気が入り込んでいるもの。どこまでが自分の性格だったのか、どこまでが病気によって起こっていたのか。自分の中で線を決めていってほしい」。TMS治療前の説明で川口佑院長は述べ、「カウンセリングをする中でそれがまとまっていくと思う。知らず知らず無意識のうちにやっていたこういう行動が実は病的なものだったことが分かると思います」と続けた。

 記者のような循環気質の人間をII型障害に変えるトリガーが存在するという。自分が否定されることを恐れる傾向が強く、循環気質は人に対してとても過敏だとされる。川口院長によると、「10人いたら10人全員に嫌われてはいけないという極端な考え方になってします。その防衛線を突破されたときに発症してしまう」そうだ。そして「その努力は必要ないし『10人全員に嫌われても問題ない』という考え方になっていくことで再発が防止できるようになります」と語りかけてくる。気持ちが楽になっていくのが分かる。

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