中国はGDP世界第2位の国家となったが、彼らの日々の暮らしは日本のそれとは大きくかけ離れている。経済成長に伴って発達したハードに比べて、ソフト面の充実が非常に遅れている。最低限の公共インフラやサービスもほとんど整っていないのが現状だ。
それ以外に、中国特有の戸籍制度や格差問題などもある。物価はうなぎ上りで上昇しており、上海の物価は東京に迫る勢いだが、一見した町の風景や価格だけではわからない「小さいけれど重要な差」が日中の日常には存在している。
本書は中国人にとって不自由なビザ取得、戸籍問題、子育て事情、病院事情などを取り上げ、「中国人の日常」や「日本に対する本音」を具体的に紹介する。中国の若者たちは日本に対するネガティブなイメージはほとんど持っていないし、40代以上の中国人からも、政府の公式見解とは異なる驚きの発言が飛び出す。
本書を読めば、知られざる中国人の心の内を垣間見ることができると思う。(864円 中央公論新社)
【プロフィル】中島恵
なかじま・けい ジャーナリスト。山梨県生まれ。北京大学、香港中文大学に留学。新聞記者を経てジャーナリストとして独立。新聞、雑誌、ネットなどに中国・アジアのビジネス事情、社会事情などを執筆している。著書に「中国人エリートは日本人をこう見る」「中国人の誤解 日本人の誤解」(ともに日本経済新聞出版社)、「ポジャギ 韓国の包む文化」(白水社)などがある。