介護保険でリハビリをする様子を見に、かかりつけ医が現れることも=東京都世田谷区の在宅総合ケアセンター成城(一部画像を加工しています)【拡大】
全人的な医療
地域包括診療料は「全人的な医療」が旗印。かかりつけ医には、健診の受診勧奨などの健康管理も任される。服薬管理も重要な仕事で、患者が他の医療機関からもらった薬があれば、それもカルテに記載して一元管理する。
井上医師は「専門外でも、患者さんのすべての診療科の情報を把握し、かかりつけ機能を高めることが大切。必要に応じて専門医療機関と連携しながら、主治医としてやっていく。その哲学が大事だと思っている」と話す。
慢性疾患の患者は月に1回程度の受診が一般的で、月額4510円はむしろ割高。算定には患者の同意がいる。井上医師は「総合的に診て、情報を一元化できる。診療情報提供書もしっかり書ける。患者さんにすれば具合が悪いときにかかっても、検査をしても、紹介状をもらっても、新たな費用はかからない。一種の保険のように感じていただいていると思う」とする。
「主治医意見書」
この費用を算定する要件には、介護の視点も盛り込まれた。患者が介護認定を受けるときの「主治医意見書」の作成は最低条件。同センターのように介護保険でリハビリを提供するのも、必須ではないが要件の1つだ。