これから言えることは、自分より貧しい人に囲まれて生活する分にはどんどん豊かになっていくけれども、自分があこがれていたり、こうなりたいと思っていたりする上位集団に囲まれて無理してついていけば、表面は華やかに見えても貯金はどんどん減っていくということです。
地位(じぐらい)の高い富裕層の多く住むエリアに住むのは、そこに住んでも余裕をかましていられるようになるまで待ちなさいということです。仮にタワーマンションに住むのであれば、そこの住人たちよりも自分の経済状態がずっと良いような物件を選びなさいということです。であれば、お金も貯まり、富裕層へ向けての種銭も自動的に増えていくのですから。
孟母三遷という言葉があります。
子供は周囲の影響を受けやすいので、子供の教育には環境を選ぶことが大切であるという教えですが、大人も貯蓄率などにおいて周囲の影響を受けやすいということが、統計的に浮き彫りにされているわけです。
今回の話は、「高収入貧乏」の人には身を切るように痛い統計結果だったと思います。そして、低収入だけど貯蓄額が多い人には福音をもたらしたでしょう。
他人に勝とうと思うその気持ち自体が自分の財政状態に危機をもたらす、ということを統計データは語っているのです。
(行政書士、不動産投資顧問 金森重樹=文)(PRESIDENT Online)