男性社員の生涯賃金【拡大】
これに対して、大学に進学した場合の学費は、国公立か私立かによっても大きく異なりますが、250~500万円程度。4年間下宿したとしても、生活費で月15万円×12カ月×4年間=720万円。合わせても1千数百万円の金銭的コストとなり、大学進学は十分に元が取れる選択と言えそうです。「今時、せめて大学くらいは出ておけよ」という親の意見には、それなりの根拠があることになります。
ところが、この表をよく見ると、就職する企業規模によって、事情が大きく異なっていることが分かります。大学・大学院卒で社員数10-99人の中小企業に就職した人が1億9430万円であるのに対して、高卒でも1000人以上の大企業に入った人は、2億3300万円。何と、2割ほども高卒者の方が高い、という逆転現象が起こっているのです。
今年は大企業に入社するチャンス!?
問題は、高卒でも大企業に就職できるのか、ということです。近年、製造業では工場部門の海外移転が進むなど、高卒者を大量に吸収してきた職場は、減少する傾向にありました。