男性社員の生涯賃金【拡大】
ところが、冒頭に述べた、求人倍率の改善。表は、高校新卒者の企業規模別求人数ですが、1000人以上の大企業でも、前年比20%以上の上昇を示しています。
求職者総数が18万6000人ですので、単純に見れば、6人に1人は大企業に入社できることになります。成績が比較的優秀で、学力的には大学進学が可能な学生に絞れば、より確率はアップするでしょう。
4年後といえば、翌年に2020年の東京オリンピックを控え、日本経済に対しては強気の見通しが多数派です。しかし、今から4年前の2011年を思い出してみましょう。
リーマンショックからの回復もままならず、就職氷河期の真っ最中でした。4年間というのは、短いようで長いのです。来年2016年にリオデジャネイロ五輪を控えたブラジル経済が絶不調であることも、オリンピック景気の不確かさを物語っています。
そう考えると、高卒でも専門学校卒でも、あるいは大学院進学を迷っている大学生も、今年は就職チャンスの年、といえるでしょう。もちろん就職の有利不利だけで進路を決める必要はありませんが、「社会に出るタイミングを選択する」という発想も、持ち合わせておいてはいかがでしょうか。
(新経営サービス 常務取締役 人事戦略研究所所長 山口俊一=文)(PRESIDENT Online)