就職活動の選考時期前倒しの方針を説明する経団連の榊原定征会長=9日、東京都千代田区(平尾孝撮影)【拡大】
大学側は不満を隠せない。「前倒しは良いことだと思うが、こんなぎりぎりの変更は周知期間が短すぎて、学生を混乱させるだけだ」と語るのは上智大キャリアセンターの森田浩一センター長だ。同大では3年生を対象に9月末、就活スケジュールを説明するセミナーを開催済み。来年8月の選考開始を見越して10月から海外留学した学生もいる。森田氏は「選考開始を8月にしたのは、留学経験者を増やす目的があったはずだ。それなのに留学している学生が影響を受けてしまうとは」と憤る。
一方、東京理科大キャリアセンターの峰岸由美さんは「理系の学生は、昨年までは5月の大型連休前後に進路が決定しており、8月から6月になっても『後ろ倒し』には変わらない」と指摘。その上で、「一番問題なのは選考開始時期を守らない企業がいること。その不透明さが変わらない限り、学生の負担は変わらない」として、企業側にルール順守を求めた。
就活事情の研究を行っている「ディスコ」(東京)の武井房子上席研究員は「学生は3年時までに単位をきちんと取り、業界研究をして備えるしかないのではないか」と話している。